2000年11月19日
葉山マリーナヨットクラブ・ニッポンカップ実行委員会

ピザーラ ニッポンカップ2000国際ヨットマッチレース 最終日 壮絶な5つの戦いを制したのはピーター・ギルモア

ピザーラ ニッポンカップ2000国際ヨットマッチレース(主催・葉山マリーナヨットクラブ、特別協賛・株式会社フォーシーズ)は本日(19日)決勝戦を終え、ピーター・ギルモア(豪)が優勝した。また、3、4位決定戦は下記の結果となった。

優勝決定戦
ピーター・ギルモア(豪)対ジェイムス・スピットヒル(豪)
3勝2敗でP.ギルモアが優勝

3位、4位決定戦
ステン・モア(デンマーク)対マグナス・ホーンバーグ(スウェーデン)
2勝1敗でM.ホンバーグの勝ち

最終結果
1位 ピーター・ギルモア(豪)
2位 ジェイムス・スピットヒル(豪)
3位 マグナス・ホーンバーグ(スウェーデン)
4位 ステン・モア(デンマーク)
5位 ルック・ピロ(仏)
6位 トミスラフ・バシッチ(クロアチア)
7位 船澤泰隆(日本)
8位 フランシスコ・ディ・アンジェリス(伊)

レース・コンディション
天気 曇り、ときどき晴れ
風・・・北東の4〜9m/s
波・・・1.5m

レース概要
曇り空ではあるが、風向、風力ともに安定した絶好のレース日和り。P.ギルモア(PG)対J.スピットヒル(JS)の優勝決定戦は最終第5戦までもつれ込み、各レースとも壮絶な戦いを繰り広げた。第1マッチはJSがペナルティを背負いながらもスタートを制し、ペナルティを解消してなおリードを保ちフィニッシュライン直前の抗議合戦をもしのいでまず1勝を上げた。第2マッチはPGの最終レグの位置どりが巧みで勝利をものしにして1勝。これで1対1。第3マッチは上マークが東に打ちかえられ、陸の影響をより多く受ける難しい海面となる。第1レグでJSがポートタックの権利をうまく使い、PGにペナルティを与える。第2レグでさらにPGがペナルティを受け、JSさらにリードを広げ2勝目を上げる。これでJSが優勝に大手をかける。第4マッチ、これが信じられない戦いとなった。最終レグ序盤まで大きくリードしていたJS。ピーター以外の誰もがJSの優勝をこの時点で信じたに違いない。しかし、JSはマークと相手との間に自艇を置くという定石を外し、まっすぐフィニッシュラインに向った。しかし、選考するJSの風を乱しながら追走するPGが北からのパフをつかんで猛追。フィニッシュライン直前でJSを抜き去り、アンビリーバブルな大逆転を演じた。これで2勝2敗のタイスコア。そして最終第5戦。後にJSが「この強さがPGの秘密だ」と語るように、PGはこのレースを元世界チャンピオンの貫禄で走り勝ち、4年連続、7回目のニッポンカップ優勝を達成した。 ニッポンップ史上に残る名勝負を演じたピーター・ギルモアとクルー谷路泰博、脇永達也、早福和彦は米国シアトルのアメリカズカップ挑戦シンジケート「ワンワールドチャレンジ」に所属し、2003年のアメリカズカップを目指す。


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